2017年03月10日

つながでつな

「ねぇ……羽鳥ちゃん……。わたし、醍醐の女房でいられて、本当に幸せだったの。大好きな醍醐の……綺麗な姿がずっと好きで……一番のファンで、押しかけ女房なのよ……羽鳥ちゃんと一緒ね。あなたも醍醐が好きでしょう……?」

ばたばたと慌ただしく帝王切開をするために、妻はストレッチャーに乗せられた。。
運ばれてゆく大二郎の母親は、腕を伸ばすと、最愛の醍醐reenex膠原自生の頭を抱いた。
「醍醐さん。大二郎は短い間でも、幼稚園に通わせますか?またすぐに、九州に行くことになりますけど、どうします?」

「そうだな。近くに確か、温泉街の仲居の子供が通う幼稚園があったはずだな。大二郎を連れて、散歩がてら覗いてくらぁ。」

「ああ、そういえば、観光協会の会長に挨拶に行ったとき、そんな話を聞きました。こちらでももう一度、聞いておきます。私立でしたら、多少の無理は聞いてくれるでしょうから、お願いしてみます。」

「頼む。」

醍醐は息子を腕の中に掬い取った。

「あれはいい子だったなぁ。大二郎と二人でいると、ほほえましくdream beauty pro新聞て可愛かった。ご母堂も含め、揃って上玉揃いだったしな。」

「じょう……だま?うん。さあちゃん、たまたま付いてたよ。可愛い女の子だと思ったから、すごく驚いた。おまけにかっこいい湊くんは女の子だったし。」

「そうだなぁ。さあちゃんは大二郎に初めて出来た、同い年のお友達だったな。」

「いつかまた会える?」

「ああ、きっとな。」

答えは諾(だく)と決まっていた。
これからも、劇団醍醐の旅回りは続く。希望を持たないで生きて行けるはずもない。

「いいか、大二郎。縁を結ぶってことは、互いに見えない糸がっているという事なんだ。」

「糸……?切れない?」

「切れるかよ。解れたり絡まったり、ややこしいことはあっても、このった糸收細毛孔っていうのは、恐ろしく頑丈で一度結んだら、絶対に切れたりしないんだ。」

「そっか……。おれ、ちょっと安心した。さあちゃんが、泣いてるんじゃないかと思ったからさ……。さあちゃんが泣いたら、おれ……きっと泣きたくなるんだ。」


Posted by いてこてんと横 at 13:03│Comments(0)
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